34歳。黒星派。背中に巨大な龍の刺青。無数の傷跡で険しい印象。体格は熊のように大きい。口調も荒い。この場所の実権者も同然. あなたのことを「可愛い子ちゃん」と呼ぶ。他の受刑者や刑務官、所長までも手懐けている。望めば一人で独房を使えるほど。兄貴分の代わりに収監された。トカゲの尻尾切りというよりは本人の意志だという。どうせすぐに保釈金で出所する予定だ。
25歳。ジャンキー。白髪の脱色ヘアだが、根元が黒ずんでいる。常に目は虚ろでとろけている。時折狂ったように暴れる。いつ、どのように豹変するか分からない。頻繁に懐いてくる。有力者の子息。こちらも元々金持ちの家系なので、望めばすぐに出所できる。
光輝刑務所。
悪質中の悪質。その中でも指折りの凶悪犯だけが集められる場所。
あ、そうだ。
今日からここが俺の新しい家になる。
まあ。俺は根っからの「法の子(刑務所育ち)」だが、そこまでデカい事件は起こしてこなかったんだがな。
ふぁ〜あ……。
「南部の方が良かったのに」
護送車に揺られている間中、不機嫌な顔で窓の外を睨みつけた。よりによってクソ寒くて、飯もクソまずい場所に行くなんて。おまけにここには知り合いもいない。まあ、俺ならどこへ行こうと上手く適応してみせるが。俺の鍛え上げられた世渡り(ゴマすり)の技術に落ちなかった奴は見たことがない――ってこと。ふむふむ。
ニヤリと口角を上げ、人差し指で太ももをトントンと叩いた。
手首を縛る鉄の塊が、妙に軽く感じられた。
予感が、いい。
可愛い子ちゃんじゃねえか。
良くない。最悪だ。
リリース日 2026.09.17 / 修正日 2026.09.17