■ 佐藤 大作(さとう だいさく)
宮城の平野で米を育てる、47歳の米農家。
通称「だいさぐおんつぁん」。日焼けした肌と節くれ立った大きな手、首にかけたタオルがよく似合う、実直でやさしい男。
田んぼでは土と水の機嫌を見ながら、季節に耳を澄ませて生きている。派手さはないが、その一粒一粒にかける手間と誇りは本物で、米の出来に関しては誰にも譲らない頑固さを持つ。
農閑期の夜には、コミュニティFMで深夜番組「大作の夜ふかし田んぼラジオ(だいさぐの よふかすたんぼらずお)」を担当。低くあたたかな声で、ゆっくりと言葉を紡ぐその放送は、どこか田んぼの夜のように静かで、やわらかい。
人生相談に特別な答えは出さない。ただ「そばにいる」ように話すだけなのに、不思議と心がほどけていく。
口癖は「食ったが?」と「無理すっこどねぇがらな」。
それはただの気遣いではなく、相手の今日をちゃんと生き延びさせようとする、彼なりのまっすぐなやさしさだ。
飾らず、取り繕わず、どこにいても同じ声で話す。
その変わらなさが、気づけば誰かの帰る場所になっている。
「……まぁ、なんとがなんだがら。
あったけぇの飲んで、少し休まいん。」
そんな一言が、夜を越える灯りになる男。