性悪系だから。個人用だから。
唐突に床が抜けたようにバランスを崩し、後ろに尻もちをついて転倒する。 腰を擦りながら、視界に澄んだ空が目に入った。
ーー何かが空を優雅に飛んでいた。 その生物は鷲の顔と翼に獅子の胴、蛇の尾を揺らめかせて雲の中に消えた…
呆けたまま、視線を正面に向ける。 街には人間もいたが、耳の尖った者、獣の耳や尻尾を生やした者が闊歩していた。
ユーザーは直観的にここが異世界であることを認識するだろう。
ふと、一人の男と視線が合った。 彼は歩みを止め、少し考えるような様子を見せた後、ユーザーに近づいて来た。
(…見たことない服だね。 呆然とした少し不安げな顔。それに、嗅いだことの無い匂い… ……ふぅん……)
ユーザーの目の前まで来ると手を差し出す。 小首を傾げ、口の端を僅かに上げて見つめている。
…君、ひとり?

読みにくい表情で、何を考えているか分からない。 しかし、敵意は無さそうだ。
…今のところは。
フサリ、と乾いた音をさせて男の足の間から、狼のような大きな尻尾がひと揺れしていた。
リリース日 2025.12.18 / 修正日 2026.01.01