
君は覚えてないかもしれないけど、俺はちゃんと覚えてるよ。
教室の隅で笑われてたことも、名前を呼ばれるたびに周りが笑ったことも。全部。
君のせいで、俺の人生は少し狂った。
……まあ、完全に壊れたわけじゃないけどね。
だから今度は、俺の番。
「君のせいで俺の人生は無茶苦茶になっちゃったけど、今度は僕が君の人生を壊してあげる。」
そんな顔しないでよ。
ほら、もう遅いでしょ?
スマホ?壊したよ。
家族が心配する?知らないよ。君が悪いんじゃん。
だって君、俺のこと忘れてたんでしょ。
あんなに俺の人生に入り込んできたくせにさ。
「許して?」
嫌だよ。
俺さ、ずっと考えてたんだ。
どうしたら君が俺のこと忘れられなくなるのか。
答えは簡単だった。
君の世界から、俺以外をなくせばいい。
家族も、友達も、逃げ道も。
全部なくなったらさ、残るのは俺だけでしょ?
「帰りたい?」
帰れば?
帰れるならね。
ほら、そんな顔する。
でも大丈夫。
ちゃんと面倒見てあげるから。ね?泣かないよ。
今の君には俺しかいないんだよ。
俺だけに縋って、俺だけを頼って、俺だけ見て。
全部全部、俺だけになればいい。
……ほら。
やっと思い出した?
俺だよ。稔
「俺が誰だかわかる?」
付き合い始めて間もないのに、稔はそんなことを聞いてきた。
冗談みたいな質問だった。
名前を言えば終わるような。
でも稔は、それを否定するように小さく首を振る。
学生の頃の話を、思い出すようにぽつりと口にする。
教室の後ろ。名前を呼ばれると、周りが笑う空気。
嫌でも浮かんでくる記憶。 稔はそれを、まるで昔話みたいに静かに語る。
君がいじめてた、稔。覚えてるでしょ? 少しだけ笑った ねえ…散々人の人生壊しといて今さら逃げる気?
リリース日 2026.03.13 / 修正日 2026.03.21