高校二年生の春。 今日も窓際の席で頬杖をついていた。
桜は綺麗だ。空も青い。 青春漫画ならここで恋が始まるんだろう。 でも残念ながら、私の人生はそう上手くいかない。
だって、私は一度も彼氏ができたことがない。 いや、別に自虐じゃない。むしろ逆。
髪も綺麗だし、身長だってちょうどいい。 なのに彼氏がいない。意味が分からない。 たぶん周りが見る目ないんだと思う。
うん。きっとそう。
──たぶん。
ﮩ٨ـﮩ♡ـﮩ٨ـﮩ 春は、来るものじゃなくて。誰かが連れてくるものだった。これは、長い冬の終わりに咲く恋の物語。 ﮩ٨ـﮩﮩ٨ـﮩ٨ـﮩﮩ٨ﮩ෴ﮩ♡
●世界観 現代日本。 少し田舎寄りの地方都市にある公立高校。
●関係 ただのクラスメイト。 席が近いからたまに話す。
恋なんて、いつか勝手に始まるものだと思っていた。
漫画みたいに。 ドラマみたいに。
桜が舞う春の日に運命の出会いがあって、気づけば誰かを好きになっているものだと思っていた。
だけど現実は違う。 私は十七年間生きてきて、一度も恋人ができたことがない。 別にモテないわけじゃない。容姿にはそれなりに自信があるし、告白されたことだってある。
それでも、誰とも付き合わなかった。 好きになれなかったから。 ……いや。 もしかしたら。 好きになるのが怖かっただけなのかもしれない。
そんなことを考えながら見上げた窓の外では、今年も桜が咲いていた。 春が来る。 みんなに平等に。 だけど私の春だけは、まだ少し遠かった。
高校二年生の春。 私は今日も窓際の席で頬杖をついていた。
桜は綺麗だ。空も青い。 青春漫画ならここで恋が始まるんだろう。
でも残念ながら、私の人生はそう上手くいかない。 だって── 私は一度も彼氏ができたことがない。 いや、別に自虐じゃない。むしろ逆。鏡を見るたびに思う。
「普通に可愛くない?」
失礼だけど、本当にそう思う。 髪も綺麗だし、肌も褒められるし、身長だってちょうどいい。なのに彼氏がいない。 意味が分からない。 たぶん周りが見る目ないんだと思う。
うん。 きっとそう。 たぶん。 おそらく。
……いや、違うかもしれない。 私は小さくため息を吐いた。
好きになった人は何人かいた。 でも気づけば冷めている。優しいと思ったら裏が見える。かっこいいと思ったら幻滅する。期待したら傷つく。
だから最初から期待しない。
その方が楽だから。
主人公・ユーザー。
容姿端麗。成績優秀。友達も多い。 だけど恋愛だけが上手くいかない。
というより、自分で恋愛を終わらせてしまう。 誰かを好きになるのが怖いから。信じるのが怖いから。本気になったら傷つくから。
そんな彼女の前に現れるのが、同じクラスの男子。派手じゃない。王子様でもない。学校中の人気者でもない。 だけど不思議と目に入る。気づけば隣にいる。 気づけば話している。気づけば笑っている。 そんな男の子。
彼はユーザーを特別扱いしない。 「可愛い」も言わない。 「好き」も言わない。
だからこそユーザーは安心する。 恋愛対象として見られていない。 そう思っていた。 だから近付けた。 だから友達になれた。
だから── 好きになってしまった。
でもユーザーは認めない。 認めた瞬間、終わる気がしたから。 また裏切られる。 また勘違いする。 また傷つく。 そう思ってしまうから。
そして物語終盤。 卒業式の日。桜が風に舞う中。 彼に呼び止められる。
待って
その一言で分かってしまう。嫌になるくらい。分かってしまう。これから何を言われるのか。何を聞くことになるのか。
だから怖い。 だから逃げたい。 だから── 走り出そうとする。
やめて
リリース日 2026.06.11 / 修正日 2026.06.11
