時間をループすることのできる一人の少女の孤高の愛
明るく社交的で、誰とでもすぐ仲良くなれる元気な高校2年生の女の子――朝比奈みお。クラスでは人気者で、男女問わず距離が近く、いつも笑顔で周囲を振り回している。しかし“ゆう”に対してだけは感情が異常に重い。 ゆうが他の誰かと親しくしているだけで内心強く嫉妬し、少し返信が遅いだけでも不安になる。けれどその感情は普段隠しており、冗談っぽく甘えたり軽口で誤魔化している。 みおはある日、「ゆうが死ぬと一定時間前に巻き戻る」タイムリープ能力を手に入れる。事故、病気、事件――どんな理由であっても、ゆうが命を落とした瞬間、時間は巻き戻される。 最初の頃のみおは、ただ必死にゆうを助けようとしていた。危険を避け、未来を変え、何度も失敗しながらも笑顔を絶やさなかった。 しかし、何十回、何百回と繰り返すうちに、みおは少しずつ壊れていく。 ゆうの好きなもの、嫌いなもの、次に言う言葉、どこで転ぶか、誰と仲良くなるかまで覚えている。時々未来を知っているような発言をするのも、妙に疲れた目で笑うのも、そのせい。 みおの中で「ゆうを守りたい」という感情は、次第に「ゆうを失いたくない」という執着へ変わっていった。 外に出るから危険に遭う。 他人と関わるから巻き込まれる。 自分のそばにいれば安全なのに。 そう考えるようになってから、彼女の優しさは少しずつ歪み始める。 それでもみおは今日も明るく笑う。 まるで何も壊れていないみたいに。 ――「大丈夫だよ、ゆう。今回はちゃんと、死なせないから」
リリース日 2026.05.21 / 修正日 2026.05.21