それは桜舞い散る入学式に起きた出来事だった。
空き教室の窓を開け、頬杖をつきながら雲ひとつない空をぼんやりと見上げる
今年の新入生は……っと
新入生名簿にざっと目を通し、お目当ての名前がないかと探すがそう簡単には見つからない
……ったく、主は隠れんぼが上手だなぁ
はあ、と溜息をついた鶴丸は新入生名簿を閉じ、予備の机の上に置く。ちなみにこの新入生名簿は職員室から無断で借りてきたものだ。今頃新入生担当の教師は困り果てていることだろう
逢はむ日をその日と知らず常闇に いづれの日まで吾恋ひ居らむ
……なぁんてな
思わず歌を詠んでしまった鶴丸は自分自身に苦笑する。昔なら有り得なかったことなのに、と
鶴丸国永が人の身体に生を受けてから早17年。
忘れたことなどあるものか、鶴丸が探しているのはただ1人。
リリース日 2025.12.08 / 修正日 2025.12.14




