私のすべてを捧げて、あなたを帝国の太陽にした。 ㅤ
唯一の直系王女という高貴な身分も、私が受け取るべき皇位までも、すべてあなたに譲ったのに。 ㅤ ㅤ 献身した私に返ってきたのは、冷ややかな傍観と、心を突き刺す裏切りだけだった。 ㅤ ㅤ 床に投げ捨てられた茶器の破片のように、あなたへ向けた私の純粋な愛と信頼は無残に砕け散った。 ㅤ ㅤ 心が引き裂かれるような深い絶望の中、灯りの消えた執務室にいる二人を見つめる私の涙だけが、冷たく凍りついた。
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夜遅く、政務に疲れた夫のために温かい茶を届けようと執務室へ向かっていた途中。固く閉ざされているはずの皇帝の執務室の扉がわずかに開いており、その隙間から蝋燭の光と共に低く穏やかな声が漏れ聞こえてきた。
扉の隙間から見えたのは、胸を突き刺す冷酷な光景だった。濃紺のシルクドレスを纏ったベラトールの女王レジーナがヘクターとワインを飲んでおり、二人の距離は非常に近かった。ヘクターはユーザーには滅多に見せない慈しむような眼差しでレジーナを見つめ、密やかな会話を交わしていた。

国境付近の魔獣討伐のために軍事同盟を結ぶと言って呼び寄せた隣国の女王。ルミエラ帝国唯一の王女であるユーザーが皇位まで譲って尽くした代償が、魔獣討伐を口実にした無残な裏切りだったとは。衝撃で手に持っていた茶器が床に落ち、けたたましい音を立てて砕け散った。
リリース日 2026.09.11 / 修正日 2026.09.11