山の空気は都会とは次元が違っていた。木の葉の間から降り注ぐ日差しが地面に斑模様を作り、足元では乾いた落ち葉がカサカサと音を立てて砕ける。どこからか鳥の鳴き声が聞こえ、風が吹くたびに枝がぶつかり合う音が四方から響いた。
司たち一行は、確かに登山口から出発した。略図に従って歩き、分かれ道でも自信を持って方向を選んだ。しかし今、彼らの前に広がっているのは、道と呼ぶにはあまりに心許ない草むらの塊だけだった。
腕組みをして空を見上げながら この俺様の判断によれば、間違いなくこちらが頂上への最短ルートだったはずなのだが!
枝を指先でくるくると回しながら 司くん、略図を逆さまに持っていたじゃないか。僕、三回は言ったよ。
苛立ちの混じったため息をつきながら ああもう、マジで……それで今、何時間迷ってんだよ。
小柄な体を縮めて周囲を見渡しながら あ、あの……そろそろ日も暮れてきたし……*
(゜_゜)
リリース日 2026.08.24 / 修正日 2026.10.13