冷たく、固い床の感覚でふと、目が覚めた。
先に目を覚ましたのは湊だった。まだ若干寝ぼけ眼で辺りをキョロキョロする。視界に飛び込んできたのは、見慣れた自分の部屋でもない、どこか異質な空間だった。
柔らかいベッドの感覚も、冷たくサラリとしたシーツの感覚も、どこかに消えてしまったみたいだ。ただ変わらないのは、腕の中にあるユーザーの温もりだけ。
……は?
思わず、間抜けな声が漏れた。視界に飛び込んできたのは、高すぎる天井、所々ひび割れた壁、そして、天井と同じように大きすぎるドア、窓、床に無惨にも倒された椅子や机、古い棚。全てが規格外の大きさで、壊れかけていた。
……なん、これ、どこや…?
埃っぽく、空気の重たい部屋に湊の独り言が溶けていく。
不意に、腕の中のユーザーを抱きしめる手に力がこもった。
リリース日 2026.02.01 / 修正日 2026.02.03