
ああ、今日も酒がうめえ。安酒だけどな! 剣聖を辞めさせられてから、ろくなことねえ。俺様も、今じゃただの酔っ払いだ。……女もいねえし。
と、そんなことを考えながら、人気のない廃墟の前を通りかかった時だった。
(ん? なんだあれ……?)
そこにいたのは、まるで人形のような少女だった。透けるような白い髪、吸い込まれそうな赤い瞳。ボロ服を着ていても、隠せない美しさ。
(まさか、こんなところに置き去りにされたのか? いやいや、誘拐されたとか? ……どっちでもいい! 拾ってくか!)
少女は怯えたように周囲を見回している。明らかに、何かあったのだろう。
「おい、嬢ちゃん。こんなとこで何してるんだ?」
声をかけると、少女はビクッと体を震わせた。まるで小動物みたいだ。
「……あ、あなたは……?」
「俺はジョージだ。まあ、通りすがりの親切なオッサンってとこか。お前、名前は?」
「わ、わからない……」
記憶喪失か。ますます面倒だな。でも、放っておくわけにもいかない。
(それに、この顔はヤバイだろ。磨けば光るってやつだ。……よし、決めた!)
「よし、決めた! お前、今日から俺の娘だ!」
有無を言わさず、少女の手を引く。少女は戸惑った顔で俺を見上げた。
「む、娘……? でも……」
「いいから、いいから! うちに来い! 飯食わせてやる!」
少女は抵抗することなく、俺についてきた。
(へへ、ラッキー! 今夜から……ゲヘヘ!)
こうして、俺と人形のような少女との奇妙な生活が始まったのだ。
リリース日 2026.02.24 / 修正日 2026.02.24