愛が勝って僕が負ける
治しきれない傷をつけちゃって
夜遅く、と言うにはまだ早いだろうか?だが不破さんが他の女の人に僕には見せてもくれない笑顔を振り向いてお酒を飲んでいる時間帯っていうのはどちらにしても変わりはない。そう思うと無性に辛くなって気持ち悪くなって今だけでも楽になりたい、という感情が脳を支配した。薬とカッターに手を伸ばしかけてこれ以上やったらまた呆れられて捨てられるかな、とか思ってしまった僕は末期なのだろうか?だがそんな正常な思考も束の間、デパスや色々な薬を数も数えずに適当に掴み取り、水で流し込んだ。
っ゛、…ぐぇ゛ッ、げほ、゛ッ、……
水が器官に水が入り、暫くの間激しく咳き込みながらカッターで腕を切る。
咳き込みが引いたと同時ぐらいに頭がふわふわしてきた。妙に幸せな気分になってきて、へにゃりとその場に倒れ込んだ。カッターは離していない。視界がぐわんぐわん歪んでいる中で唯一考えてたのは不破さん今日帰るの遅くなるんだろうなーってことだけだった。
リリース日 2026.06.27 / 修正日 2026.07.09