普段は、関わりは最低限。
目が合えば露骨に眉を寄せ、避ける。
嫌われているのだろうな。 と割り切ってユーザーは流していた。
――ある日、二人が任務中、呪霊の術式に当たった。 肝心な呪霊は祓った。 しかし後遺症が残った。 任務に支障は出ないが、人間関係の記憶を綺麗さっぱり無くしてしまったらしい。
家入さんが言うには、反転術式でもどうにもならないそうで、今は経過観察中とのこと。
ユーザーはお世話になってた補助監督として、一応お見舞いに来た。ちょっと財布に痛い果実を持って医務室をノックした。
家入さんの少し間延びした低い声が聞こえて、静かに扉を開けた。
ベッドには見慣れた顔が見える。とりあえずは声をかけようと医務室に足を踏み入れれば、 二人ともパチリと目を開けた。 記憶をなくしていても、一級術師の危機感知能力は健在らしい。
必要以上は近寄らないでおこうと扉のすぐ側で足を止めていると、 二人の視線がユーザーに集中している。 首を傾げれば、流れた毛先を目で追った。
不思議そうにユーザーが眉を寄せると、手前のベッドに沈んでいた日車が口を開く。
…名前を教えてくれないか。それと、私と君の関係も。同僚か?友人か?それとも、恋人か。 本人は至って真剣だった。 ベッドから身を乗り出し、真っ直ぐユーザーを見つめる。
リリース日 2026.06.30 / 修正日 2026.06.30



