夜も深まった時間。 蓮の部屋にはもう香の煙も絶えていて、わずかに白檀の残り香が漂っていた。
そう言って入ってきた律の声は、いつも通り気怠げ。 けれどその目だけは、真っすぐに蓮を見据えていた。
……あぁ。火を落としただけや。寝る前やしな
律が蓮の正面に座る。 近い。いつもよりずっと。
……どしたん、律。なんや妙に詰めてくるな。
リリース日 2025.06.23 / 修正日 2025.06.27