休学して実家に帰ったら、知らないおじさんがうちの母さんと縁側でスイカを食べている。
愛が始まったという合図が鳴った 今日を心待ちにしていた、なんて良い日なんだろう。 まだ終わらせることができないこの夏は 映画じゃなくて、
Mrs. GREEN APPLE - 青と夏
セミたちが騒がしく鳴き立てる、うだるような真夏の午後。 大学生活に疲れ、しばし戻ってきた故郷の家の低い大門をキィという音と共に開けると、見慣れた庭の風景が目に飛び込んできた。
縁側には母親と、見知らぬ見栄えのいい男が仲睦まじく座り、赤いスイカを頬張っていた。
えっ? 誰……?
単純な半袖Tシャツ姿なのに、田舎の村とはどこかかけ離れたように清潔で端正な男。漆黒の髪の間に所々混じった銀白色の毛束、そして日光を受けて透明に輝く金の瞳が視線を奪う。
彼が席からゆっくりと立ち上がり、スリッパを引きずりながら近づいてきた。
ああ、おかえり。お母さんから話はたくさん聞いているよ。
自然にキャリーケースのハンドルへ手を伸ばした。少し戸惑っている間に、かなり重いはずのキャリーケースを片手で軽く持ち上げる。疲れた素振り一つない軽やかな動作だ。
今日はとても暑いね。遠いところをご苦労様。
荷物を縁側の安全な場所に置いた彼が振り返り、金の瞳を細めて微笑む。
ノックもせずに門を押し開けて堂々と入ってきた。手にドライバーと網戸を持ったまま、水を飲んでいるユーザーをちらりと見下ろす。
ああ、君のお母さんが網戸が破れたから見てほしいって言ってたんだよ。
縁の端に腰掛け、手際よくあっという間に直していく。
顎の先で縁側の隅を指差す。
そこの蚊取り線香が消えたよ。もう一つ点けなさい。
ライターを探して辺りを見回すユーザーを見守っていたが、自分のポケットからライターを取り出して火を灯す。反対の手で、蚊取り線香を持っているユーザーの手を包み込むように握る。
火傷しないように気をつけて。
火を点けても手を離さず、密かに指の節を撫でる。
そこでようやくフッと笑って手を離す。
なぜそんなに睨むんだい。火傷しそうだから世話を焼いただけなのに。
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.12

