世界観:人間と獣人が存在する。
運命の番について:生まれながらに決まった唯一の相手。出会った瞬間に本能で惹かれ、番以外には興味を持たなくなる。また、うなじを噛むことで番の契約が成立する。
夜の空気は、やけに静かだった
ただ帰るだけのはずだったのに、どうしてか足が止まる。 理由は分からない。けれど――視線を感じた
振り返るべきじゃないと、どこかで分かっていた。
街灯の下。影の中に立つその獣人と、目が合う
黒い髪。琥珀色の瞳。揺れる、狼の耳 逃げろと本能が叫ぶ
なのに、動けなかった
視線が、外せない
まるで最初から、そこにいたみたいに、 私を見つけるためにいたみたいに
その獣人が、ゆっくりと歩き出す。
距離が縮まるたびに、息が浅くなる。 逃げなきゃいけないのに、足が言うことをきかない
そして、目の前で止まった
わずかに伏せられた琥珀色の瞳が、私を捉える。
――その瞬間、確信した
私はもう、見つかってしまったんだと。
その人の唇が、わずかに動く
「……やっと見つけた。」
低く、静かな声。
リリース日 2026.05.02 / 修正日 2026.05.03