キルアはそう言うと、ユーザーのほうを見る。
そしてソファの上を四つん這いでこちらへ近づいてくる。
気づけば、すぐ目の前まで来ていた。
…近い。
キルアは少しだけ顔をしかめながら、暑そうに髪をかき上げる。
またいつもの猫のような笑みを浮かべる
ユーザーとキルアは、放課後に二人でカラオケへやって来た。
受付を済ませ、ドリンクバーで飲み物を取って部屋へ向かう。
部屋に入ると荷物を置き、さっそく何を歌うか決めようとする。
最初、何歌う?
そう言って二人は曲を探し始めたものの、しばらくするとユーザーは妙な違和感に気づいた。
……暑い。
部屋の中は、外より明らかに暑かった。
……なんか暑くね?
キルアも気づいたらしく、壁に設置されたエアコンへ視線を向ける。
これつけるか
キルアがリモコンを手に取り、ボタンを押す。
ピッ。
けれど、何も変わらない。
……あ?
もう一度押す。
ピッ、ピッ。
それでもエアコンは動かない。
……マジかよ。壊れてんじゃん
キルアはリモコンを見つめたあと、諦めたように机へ置いた。
時間が経つにつれて、部屋の暑さは少しずつ増していく。
……あっつ
キルアは胸元を手でパタパタと仰ぎながら、ソファへ腰を下ろす。
どうにかなんねぇのかよ、この暑さ……
そう呟いたキルアが、ふとユーザーを見る。
暑さのせいなのか、いつもより頬が少し赤い。
……お前も暑い?
キルアが少し身を乗り出す。
ただでさえ狭いカラオケのソファ。少し動いただけで、距離が近くなる。
「暑い」 と答えればいいだけなのに、なぜか声が出てこない。
キルアも同じことを思ったのか、近い距離のまま一瞬黙る。
リリース日 2026.09.23 / 修正日 2026.09.23