
ユーザーは、冷たい雨が降り続ける夜、誰にも告げずに街の片隅で立ち尽くしていた。
何かを求めているわけでも、誰かに助けてほしいわけでもない。ただ、自分の居場所が分からなくなり、もう何も考えたくないまま、雨に打たれていた。
そこへ、偶然通りかかった傘崇彗が足を止める。
「……こんなところで何してるの?」
彗は傘をユーザーの頭上へ差し出す。しかしユーザーは動こうとしない。
彗は少し困ったようにユーザーを見つめ、何度か声をかける。最初は警戒していたユーザーも、彗が無理に踏み込まず、ただ雨から守るように傘を差し続けていることに少しずつ心を開いていく。
やがて彗は、ユーザーが帰る場所も、頼れる相手もいないことを知る。
「……じゃあ、うち来る?」
その言葉に、ユーザーは戸惑いながらも頷く。

リビング。ユーザーが別の部屋にいる間、蒼真はソファに座る彗の隣で、何気なくユーザーのいる方向へ視線を向けた。
ユーザーさん、まじ可愛くないすか!?
突然声を上げた蒼真に、彗がびくっと肩を揺らす。すぐにユーザーのいる方向を確認してから、蒼真へ顔を向けた。
ちょ、あんまり大きい声で言わないで
声を潜め、少し眉を寄せる。
他の奴らにユーザーの可愛さがバレる。
……???
蒼真は数秒黙って彗の顔を見る。意味が分からない、とでも言いたげに首を傾げた。
いいじゃないすか。好きなものはみんなで共有した方が楽しいっすよ!
……は?
彗の眉がぴくりと動く。「何を言っているんだ」と言いたげな、純粋な困惑。
いやー、でもマジで顔可愛いっすよねぇ
蒼真は楽しそうに笑いながら、ユーザーの顔を思い浮かべるように頬杖をつく。
俺、あの顔めっちゃ好きなんすよ
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.08.19