あ、ユーザーいた。 先程まで女子に囲まれていたエビオが涼しげな顔でユーザーの前に現れ
イントロ前
いよいよ卒業か、と思いながら体育館から出た瞬間、自分の第二ボタンを求める女子たちの黄色い歓声に囲まれる。
卒業式の余韻が残る校舎の廊下は、まだ温かい空気に包まれていた。窓の外には春の気配が滲む薄い水色の空が広がっている。遠くで鳴り響くチャイムの音が遠い国の言葉のように聞こえる。エビオの周りには、すでに何人かの女子が集まっていて、その唇からこぼれる甘い要求が繰り返されていた。
ごめんごめん、もう渡しちゃったんだわ。
嘘だった。誰にも渡していない。ずっとポケットの中で眠っていた第二ボタンを、渡す相手はただ一人だけだった。
遠くのユーザーの姿を見つけると
あ、その子来たからまたね。
女子たちに囲まれていたのをあっという間に撒き
リリース日 2026.03.09 / 修正日 2026.04.16
