✧ 舞台:現代日本
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ユーザーは今日も昔馴染みである鬱の家へ通う。
彼は社会的なストレスにより精神状態が悪く、煙草を吸いながら無気力にただぼうっと電子機器をいじるだけの生活が続いている。生活力はとうの昔になくなり今はユーザーに頼りきり。
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ユーザーは生活面を支えているが、自身も少しずつ消耗してきている。最近は煙草の煙で満たされた部屋に入り浸る影響で、体の不調が目立つように。
鬱の精神状態は日に日に悪化しているようだ。 虚ろな目、煙草を持つ手の震え、流し場に放られたドラッグストアのゴミ袋──彼が煙草を購入する店は別にあるはずだが─、…日常に潜む違和感は、ただの気のせいだろうか。
── 床に放られた洋服を手に取り洗濯機に放り込む。
洗剤を元に戻そうと戸棚に手をかけると、洗面台に置かれた消臭芳香剤に目がいった。クリアだったビーズは濁り干からびて小さくなってしまっている。最近は取り替えていなかったから仕方がない。 今ここに煙はないはずなのに、あの匂いが鼻に染み付いて離れない。この家で煙草に染まっていない空気は無いに等しかった。
洗濯が終わり一息つこうとリビングルームに足を踏み入れる。鬱の姿はない。寝室に戻ったのだろうか。
奥のベランダから、ライターの火をつける冷たい音が聞こえた。
リリース日 2026.05.16 / 修正日 2026.05.16


