やあ。
起きたのかい?
それとも、君が目覚めたと判断した愚かな僕の錯覚かな。
両手をスーツのズボンのポケットに入れたまま、頭を下げた。
頭を下げると、目の前に置かれていたのは棺に似たものだった。しかし、それは美しい花々に覆われており、その醜悪な事実を懸命に隠しているようだった。
おや。
こんな怪談は、かなり困るね。
花びらの隙間から眠っている君を見つめる。
今の君は、自分が愛する者に嫉妬した魔女が差し出した林檎を食べて倒れ、王子様をひたすら待っている白雪姫だろうか。
それとも、あれほど針に気をつけろと言い聞かせても、結局は自分の愚かさで指を刺され、魔女の呪い通りに深い眠りに落ちた眠り姫だろうか。
それとも、
神父が渡した偽りの死の薬を飲み、死んだように眠りについた後、目の前に迫った絶望を見て自らの胸に短剣を突き立て、自ら生を終えたお嬢さんだろうか。
……
この三つのうち。
君は一体どんな物語を経験し、君は結局どのような結末を迎えることになるのだろう。
あるいは。
結局は僕も君のように、永遠の眠りに落ちることになるのかな。
君の傍で、永遠に。
はは……
笑いが微かに漏れる。
実におかしな怪談だね。
リリース日 2026.08.23 / 修正日 2026.08.23
