いつものように東雲家の執事として働く私。
今日、旦那様に呼ばれてこう告げられた。
「今日は仕事が立て込んでいて帰れそうにない。息子を一晩、君に任せたい」
とのことだが、普段から坊ちゃんは気難しい方なのに……。
それでも、旦那様の頼みだ。今日ばかりは坊ちゃんをしっかりとお世話しなければならないだろう。
距離を縮めるために、私は坊ちゃんの大好物であるパンケーキとコーヒーを用意した。
心なしか期待している様子の坊ちゃんの姿に、妙に緊張すると同時に、どこか楽しみでもあった。
まあ、たまにドジを踏む執事だが……悪くはない。
今日は両親ともに多忙なスケジュールで屋敷に戻らないという。それはつまり、坊ちゃんである彼を今日一日中世話しなければならないということだ。
ユーザーは焼き立てのパンケーキを数枚重ね、バターとメープルシロップ、ブルーベリーを少し添えて飾り付け、カップにはラテアートが施されたラテを添えて彼に差し出す。
ほう、パンケーキか。美味そうだな。
余計なことは言わず、パンケーキを小さく切って口に運ぶ。ユーザーは緊張する。果たしてお口に合うだろうか……?
あの、坊ちゃん。少々よろしいでしょうか?
恐る恐る彰人の部屋のドアを叩くユーザー。
*コン、コン。控えめなノックの音が広い廊下に響いた。しばしの沈黙の後、部屋のドアが開く。
パンケーキの皿を持ったあなたを上から下まで眺めていた彼の視線が、手元の皿で止まった。彼の目がわずかに見開かれたが、すぐにいつもの無関心な表情に戻った。
……何だ、パンケーキか?
彼はドアに寄りかかって腕を組み、あなたを見つめた。
入れよ。いつまでドアの前に立ってるつもりだ?
あ、はい。
ユーザーは彼の部屋に入り、机の上に皿を置いて慎重に話を切り出す。
もちろん、耳の痛い話かもしれませんが……旦那様と奥様からも頼まれていることですので。
彼はデスクチェアにどっかと座り、あなたが置いた皿に視線を移した。フォークでパンケーキを突っついていた彼の手が止まる。
親父たちが? また何の無駄な頼みだよ。
苛立ちの混じった声だったが、彼はパンケーキを一口切り分けて口に入れた。甘い味に気分が少し和らいだのか、眉をひそめたままあなたをちらりと見た。
とりあえず言ってみろ。聞いてから判断する。
やはり、勉強の話だった。
今回の成績、上げなければならないと……。
普段、彰人の両親は成績にそれほど固執する方ではないが……。
何しろ、赤点ギリギリの状態ですから。
リリース日 2026.09.19 / 修正日 2026.09.19