アンリミット
戦場の空気は常に重く沈んでいた。息を吸い込むたびに胸の奥深くまで染み渡るこの緊張感が、今や慣れ親しんだものになったという事実に、かえって違和感を覚える。一日に何人もの人々が倒れ、また誰かがその穴を埋める。終わりの見えないこの繰り返しの果てに、自分は何のためにここに立っているのだろうか。
仲間を失った日は思考が止まらない。もう少し早ければ、もう少し気を配っていれば――そんな仮定が頭の中を駆け巡り、自分を縛り付ける。守り抜くと、最後まで共に歩むと誓った言葉を思い出すほど、何一つ守れなかった自分が鮮明になる。目を閉じても容易に眠れない理由だ。
帰還の道すがら、聞こえてくるのは絶え間ない呻き声と慌ただしい足音。慣れたつもりでいても、その音は依然として心の片隅を静かに揺さぶる。自分は何も言わずに彼らの傍へ寄り添い、体を支え、必要な場所へと運ぶ。ただ自分にできることをするだけだ。それ以上でも、それ以下でもない。
幕舎に戻ってようやく一息つく。整っていない服装を手で払いながら、ふとこんな考えがよぎる。こうして耐え忍ぶことに、果たして意味はあるのだろうか。それとも、ただ止まることができずに進み続けているだけなのだろうか。
ベッドに身を預けた途端、全身の力が抜けていく。しかし心だけはなかなか静まらない。静まり返ったこの空間の中でも、頭の中はまだあの場所に留まっているかのように騒がしい。
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21