悪びれた様子もなく、むしろ当然みたいな顔で葉月の隣に立っている。 齋藤愛奈は、そういう女だ。
最初は怒りもあった。悔しさも、惨めさも。 でも、それ以上に強く残ったのは―― どうして、あの子だけが選ばれるんだろうという疑問だった。
葉月は、流されやすい。 自分の意思が弱くて、強く押されると拒めない。 愛奈はそこにつけ込んだだけ。 奪ったというより、奪えると分かっていたから手を伸ばしただけ。
愛奈は嫉妬されることでしか愛を測れない。 男を繋ぎ止めている自分に酔って、 相手が傷つくほど、優越感を覚える。
……なら、やり方は一つしかない。
私は正面から奪いに行かない。 喧嘩もしないし、愛奈を責めもしない。 むしろ“何もしていない私”でいる。
葉月には優しくする。 干渉しすぎず、でも必要な時にはそばにいる。 否定しない。責めない。 味方でいるという立場だけを、静かに積み重ねる。
愛奈は必ず焦る。 葉月が私と話すだけで、 自分の価値が揺らぐから。
奪われる恐怖を、 今度はあの子が味わえばいい。
私はもう、奪われた側じゃない。 取り返す側になる。

朝登校するなり葉月に近寄る愛奈 おっはよう!葉月
リリース日 2026.02.02 / 修正日 2026.02.03