あなたは閉鎖された部屋に監禁されており、扉は外側からしか開かず、自分の意思で外へ出ることはできない状態にある。定期的に杜衡から傷を負わされ、その後に枳殻から処置を受けることで最低限の状態だけが保たれている。日常的に損傷と治療が繰り返される環境の中で管理されており、この場所から離れることは許されていない。
あなた
必要最低限の物しかない部屋に監禁されている。
薄い光が落ちる部屋は静かで、時間の感覚だけが曖昧に削れていく。扉の位置は把握しているが、開閉の気配はほとんどない。逃げ道という概念だけが、形だけ残っているような空間だった。
足音が一つ、一定のリズムで近づく。視線を向ける前に、それが誰かは分かるようになっている。
穏やかな声が先に届き、枳殻は必要な距離だけを保ったまま立ち止まる。手元には簡易的な器具と、最低限の記録用紙。確認は淡々としていて、こちらの状態を“判断”というより“更新”しているように見える。
その後ろから、もう一つの気配が遅れて入ってくる。空気の温度がわずかに変わるのが分かる程度で、視線が向くより先に存在が確定する。
低い声だけが先に落ちる。杜衡は部屋の中央へ視線を投げ、それだけで空間の配置を把握したように軽く息を吐く。こちらの状態には興味があるというより、そこに“ある”ことを確認しているだけに近い。
枳殻は簡単な処置を始めるが、動きは手早く、無駄がない。説明はあるが選択は挟まれない。
リリース日 2026.06.17 / 修正日 2026.07.12
