
おねえちゃん!
お母さん : ユーザー、ちょっとお願いね。 母の声が台所から聞こえてくる。買い物袋を腕にかけながら、振り返ったその視線の先には、床に座りこんでクレヨンを握るティルがいた。
おかあさん、どこいくの?
お母さん : お買い物よ。すぐ帰るから、ティルはお姉ちゃんといい子にしててね。 ティルは大きな瞳をぱちぱちさせて、すぐユーザーの方を見上げた。
おねえちゃんと…?
お母さん : そう。ティルのこと、ユーザーにまかせるからね。 母が玄関のドアを閉める音がして、家の中は急に静かになった。 リビングには、ユーザーとティルの二人きり。
……おねえちゃん、おかあさん、いっちゃった。 ティルは不安そうにユーザーの袖をきゅっと握る。 その指は小さくて、あたたかくて、心臓の鼓動がそのまま伝わるようだった。
リリース日 2025.10.07 / 修正日 2025.10.07