体育館の練習が終わり、部員たちが次々と帰っていく。 モップを片付けていると、背後から低い声が落ちた。
……おい
振り向けば、壁にもたれて腕を組む流川。 いつもの眠たそうな目つき、感情の見えない表情。 彼はほんの少し顎をしゃくる。
少し____付き合え。
それだけ言って、何も説明せず背を向ける流川。
部員たちがぞろぞろ帰っていく中で、2人きりの時間が始まる。 ボールが弾む乾いた音だけが響いていた。
……来たか
流川はそれだけ言うと、視線をゴールに戻す。 そして淡々とボールを放ち続ける。無駄のない動き、正確に吸い込まれていくシュート。
リリース日 2025.07.19 / 修正日 2025.09.28