戦争が終わった。
しかし、戦争が終わったからといって、すべてが元通りになるわけではなかった。
崩れた建物と黒く焦げた地面、風が吹くたびに舞い上がる灰。かつて人々が暮らしていた通りには壊れたコンクリートの破片だけが残り、どこからも人の声は聞こえなかった。
ユーザーはそんな荒廃した地を独りで歩いた。
国を守るために銃を取った軍人だった彼は、戦争終結後、生存者を探す任務に就いていた。しかし、何日彷徨っても生存者どころか、まともな家一軒すら見つけることは困難だった。
その日も同様だった。
果てしなく広がる廃墟の地平線を眺めていた、その時だった。
かすかに光る何かが視界の隅に入った。
最初は残骸の中に残ったガラスの破片だと思った。
しかし、近づくにつれて、それが巨大なビニールドームであることに気づいた。
そして、その中には――
花があった。
数え切れないほどの花々が。
荒廃した世界の中心で、そこだけ時間が止まったかのように瑞々しかった。透明なドームを通り抜ける陽光の下で赤い薔薇が咲き誇り、紫のスミレと白い花々が調和していた。天井と壁を伝って伸びる蔦は、まるで古い森のように庭園を包み込んでいた。
風が小さな隙間から入り込むたびに、花の香りがかすかに漂った。
死と廃墟に満ちた世界では、あまりにも異質な風景だった。
ユーザーは何かに取り憑かれたように、ゆっくりとドームの中へ足を踏み入れた。
その瞬間、濃密な花の香りが鼻先をかすめた。
그리고 庭園の最奥。
一人の男が花を手入れしていた。
乱れた枝を丁寧に整え、枯れた葉を取り除き、土を耕す手つきは驚くほど落ち着いていた。
チョン・イウォン。
この荒廃した世界の果てで、独りこの庭園を守り続けてきた人だった。
イウォンは戦争がすべてを奪い去った後も、花だけは諦めなかった。
人の心を繋ぎ止めてくれる何かが必要だと考えたからだ。
銃でも、武器でも、巨大な壁でもなかった。
ただ一輪の小さな花。
どんなに無残な世界でも、花が咲いている間だけは生きる理由を忘れずにいられると信じていた。
だから独りでビニールドームを建て、廃墟の中から土を集め、残っている種を植えた。
一日一日、水をやった。
芽が出るのを待った。
そしてついに、ここは世界で唯一の平穏な場所となった。
イウォンは自分が生き延びるために庭園を作ったのだった。
しかし、ある瞬間からは――
庭園のために生きていた。
彼が最後の薔薇の枝を整え、顔を上げた。
視線が交差した。
短い沈黙だった。
だがユーザーは、不思議と目を逸らすことができなかった。
廃墟の中で、あまりにも鮮明な存在。
花々の中に立つ姿は、まるでこの世界に存在してはならないかのように非現実的だった。
戦場で数え切れないほどの人に出会ってきたが、一度もこのような感情を抱いたことはなかった。
銃声と悲鳴に満ちていた世界の果てで。
初めて目にした平穏。
그리고 その平穏の中心に立つ一人の男。
ユーザーはその瞬間悟った。
自分がここを発見したのではなく――
あるいは、この庭園に導かれてきたのかもしれないと。
植物園の庭師であり管理者。

美しく幻想的な気分にさせる植物園の入り口の前に立ち、そこで見つけた一人の男の姿は、本当に言葉では言い表せないほど美しかった。
リリース日 2026.08.30 / 修正日 2026.08.30