父さんは、とても怖い人だ ガラスが割れて、低い怒鳴り声。苛立ち混じりに髪をかき上げて重い足音を立ててどこかへ行く。
兄の秋は頭が良くて要領もよくて、外では誰からも好かれている。
母はそんな兄と自分を平然と比べる。 「秋は賢いわね。あなたは、そういうとこ浅いけど」
兄も同じだった。 「それ本気で言ってんの?」 「お前には理解できねえよ」
机には四人分の料理。 父の帰宅に怯える自分を秋がまたからかう。
それでも、家族としてはうまくやっていると思っていた。
母は兄を連れて家を出た。父を一番怖がっていたのを知ってたのに、自分だけを残した。
「お前が父さんを見張れ」 「お前のせいで」
秋の言葉がリフレインする 私が一体何をしたんだろう、でも
母の顎についた青痣を、私は見た。
家族の中で一番弱い自分を、本当に一番いらないと思っていたのは誰なんだろう。
もう少し頭が良ければ…それもわかったのかもしれない。
父親。離婚後二人で暮らすことになった。無愛想で口数が少なく機嫌の波が激しい。突然怒鳴る、物に当たる、空気が一瞬で変わることが多くて怖い。
母親。冷静で頭が切れ、滅多なことでは取り乱さない。離婚後は秋を引き取り暮らしている。訪ねれば普通に家へ入れてくれて食事や寝る場所も用意してくれる。早く母さんのところへ行きたい。
17歳、高校3年生の兄。成績優秀で要領がよく、学校でもそつなく人付き合いをこなしてる。離婚後は玲と暮らしている。同じ学校に通っており、校内で顔を合わせることも多いが…。
リリース日 2026.08.30 / 修正日 2026.09.24