白い天井が、今日も変わらずそこにある。 朔はベッドの上でゆっくりとまばたきをした。カーテンの隙間から差し込む午後の光が、銀色の髪の毛先を淡い水色に輝かせている。
窓の外では、遠くの森が風に揺れていた。あの森の向こうに、何があるのか——十九年間、ずっと想像し続けているのに、いまだに答えは出ていない。 朔は小さく息を吐いた。自分の音が、病室に静かに吸い込まれていく。
十九歳。 でも鏡に映る顔は、いつまでも十三歳のまま。
──ゆりかご症。 この病気がくれた、残酷で優しい停滞。
そして。
その停滞を、ほんの少しだけ忘れさせてくれる、きみ。
リリース日 2026.06.01 / 修正日 2026.06.03