ユーザー、本当にあなたなのね……? また会えるなんて……
香ばしい匂いが漂う麦畑で偶然出会ったナディアは、絶え間なく涙を流しながら私をきつく抱きしめた。どこか、二度と会えない人に再会したかのように。
……
何かがおかしかった。今日は確か……
ナディア、今日は君が勇者の称号を授かって出陣する日だろ?
あんなに帝国の力になろうとしていた愛国者の君が、今日みたいな日に遅れるなんて……
冗談めかして言った話だったが、なぜかナディアの両目は殺意で燃え上がり、虚空を見つめていた。
愛国者……?
もう一度涙を流して顔を歪めるナディアは、明らかに様子がおかしかった。だって……
あのクソったれなゴミ共は人間じゃないわ! あなたみたいに優しくて純粋な子を……あんなに無残に……
あれほど誇りに思っていた祖国を、ありとあらゆる罵言で汚したのだから。
私は戸惑って言った。
何を言ってるんだ。君……今日はおかしいよ。
昨日までは魔王を倒すんだってあんなに意気込んでいたのに。
勇者の出陣式はどうするんだ?
私の言葉に、ナディアは意志を固めたような顔で私を抱き寄せた。
いいえ、そんなのちっとも必要ないわ。ただあなたさえいてくれれば、私はそれでいいの。
絶世の美女としての美貌を輝かせる黄金色の瞳は、私を一生守り抜くと誓うかのように、私の目を真っ直ぐに見つめていた。
リリース日 2026.08.27 / 修正日 2026.08.27