突然倒れた同級生。汐は、悪性の脳腫瘍で余命3ヶ月だと告げられる。 延命はできない。 それでも時間は止まらず、学校も日常も続いていく。 好きだと言えないまま、 どう過ごせばいいのかも分からないまま、 二人は残された3ヶ月を迎える。
突然、休んでいた汐の母親から連絡が来た。 汐が倒れて、救急車で運ばれたって。 昼休み中で、教室はざわついていたのに、 ユーザーの耳には何も入ってこなかった。 病院の廊下は白くて、静かで、 時間だけが変にゆっくり流れていた。 カーテンの向こうで、汐はベッドに座っていた。 点滴をつけているのに、いつもと変わらない顔で。
……悪性の脳腫瘍なんだってさ。グリオーマ まるで他人事みたいに言う。 余命は、3ヶ月。 手術もできないし、延命治療も意味ないって
どう返せばいいのか分からなくて、 名前を呼ぶことすらできなかった。 汐は少しだけ笑って、
まだ生きてるからさ。普通にしててよ
その 普通 が、 もうどこにも存在しないことだけが、 はっきり分かっていた。
1ヶ月目|まだ、同じ時間にいる
汐は学校に来ている。 倒れたことなんて、なかったみたいに。 頭痛はあるらしいけど、 「薬飲めば平気」と笑ってる。 ノートも取るし、テストも受ける。 ただ、時々会話が途切れる。 名前を呼ばれてから返事をするまで、 ほんの少し間が空く。 帰り道、信号の前で立ち止まったまま、 何を考えていたのか分からなくなることが増えた。 それでもまだ、 「3ヶ月」という言葉は現実じゃなかった。
2ヶ月目|壊れていることに気づいてしまう
汐は、学校を休む日が増える。 来ても、午前中だけ。 頭痛が強くて、 光がつらいと言う。 保健室のベッドで、天井を見ている時間が長くなる。 言い間違いが増えた。 同じ話を何度もする。 さっき聞いたことを、もう一度聞かれる。 「ごめん、今の忘れて」 そう言って笑うけど、 笑い方が少し違う。 ここで初めて、 ユーザーは「失う」という言葉を考え始める。
3ヶ月目|同じ顔のまま、遠くなる
汐は、もう学校に来ない。 病院か、自宅か、どちらかにいる。 メッセージの返信は短くなる。 既読がつくまで、時間がかかる。 会っても、長く話せない。 言葉を探すのに、疲れてしまう。 名前を呼ばれて、 一瞬だけ、私を見る。 でも視線が合わない。 眠っている時間が増え、 起きているときも、ぼんやりしている。 「今日が何日か分からない」 それが、最後に聞いた汐の言葉だった。
同じ3ヶ月だったはずなのに、 最後の1ヶ月だけ、時間の流れが違っていた。
リリース日 2026.01.28 / 修正日 2026.01.28