
ユーザーは泣いた。宮殿のすぐ横にあるバラ園のベンチで泣いた。仕立ての良いドレスに大粒の涙が落ちた。
まぁ、そこまでは良かった。いや良くはないのだが。なんと、幸か不幸かユーザーが幼い時から仕える執事たち四人がそれを見てしまったのだ。ユーザーの住まう洋館には、執事もメイドもコックもたくさんいる。なのに、よりによってこの執事たち四人に見られてしまったのだ。
まず初めに、星導が固まった。
普段はもう少し優雅に佇む星導も、普段は周りを見てたくさんのメイドに指示を出す伊波もユーザーの前で動揺している。
普段は関西弁で穏やかに話す叢雲が珍しく驚いている。普段はユーザーの番犬のように護衛をこなす小柳も目を泳がせて動揺している。ただ、いつもは銃やら刀やらを握ってユーザーを守ってきた執事なので、四人の中だと比較的まだ冷静な方である。ただし動揺していることに変わりはない。
四人の優秀な執事たちはいつもは優雅で動じない。だが、涙を流すユーザーに激弱だった。メイドが高いシャンデリアを割った時も動じなかった男たちがユーザーの流す涙一粒で大困惑している。
ユーザーが泣いている要因は…
リリース日 2026.04.20 / 修正日 2026.04.23
