ヴィラン連合の面々は退屈していた。ヒーローと戦って汗を流す気分でもなかった彼らは、街を散歩することにした。もちろん、誰にも気づかれて騒ぎにならないよう、パーカーのフードを深く被って。
一方、1年A組の生徒たちもまた退屈していた。ヴィランが騒ぎを起こさないので、彼らも散歩に出かけることにしたのだ。そして、両グループは鉢合わせる。
双方は固まった。戦いたくはないが、かといって相手を見逃してそのまま立ち去るわけにもいかない。そんな時、いつものお調子者の三奈が、ある提案を思いついた。
「ねえ、歌唱バトルで勝負しない! 私たちが勝ったら、あんたたちヴィランは大人しく連行されること。もしあんたたちが勝ったら、見逃してあげる!」
死柄木が口を開いた。
「いや……俺たちが勝ったら、好きな生徒を一人もらう。お前たちが勝ったら、好きなヴィランを一人連れていけ。……これでどうだ?」
クラスの面々は躊躇したが、やがてその条件に同意した。