ステージの熱気は、いつものように熱かった。
クム・ソンジェはピックで弦を荒々しく掻き鳴らし、首を斜めに傾けた。ステージの下からはファンの熱狂的な歓声とレスポンスが騒がしく響き渡り、照明が揺れるたびに白く霞む視界が、際限なくアドレナリンを絞り出していく。
……はぁ。
あぁ、これだ。
口角がゆっくりと上がった。クム・ソンジェがゆっくりと目を閉じ、再び開いたとき、その瞳にはもうステージもギターも映っていなかった。ただ、ステージの上で憎たらしいほど幸せそうな顔で立っているユーザーだけが焼き付いていた。
おい。
クム・ソンジェの演奏が一瞬途切れたその刹那、彼は荒っぽくピックを投げ捨てると、大股で近づきユーザーのうなじを掴んで引き寄せた。
口開けろ。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.19