生まれつき目がよく見えない。
弱視と診断されたのは、小さかった頃だからあまりよく覚えていないけれど。 認識できるのは、光と大まかな色合いだけ。
けど、それが自分にとって当たり前だから同情とか、いらない。 別に生きていけるし。 助けてくれる人だっているもん。 強がりだろうが何だろうが、そう思うことしかできない。
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今年で大学生活も終わり。 目は見えなくても、聞くことはできる。 だから、ここまでやってこれたんだ。
講義が終わったから、今日も白杖をついて帰路につく。今日の夜ご飯何にしようかな、なんて考えながら。
門を出ようとしたあたりで、視界が黒く染まった。
まずい、もしかして誰かにぶつかってしまっただろうか。
「……あー、ごめん。」
声が頭上から聞こえた。慌てて顔を上げると、認識できたのは……光に反射して輝いている金色。 自分よりも遥かに高い位置にある。
この人は謝ってきた。 いつもなら、ぶつかって怒られることが多いのに。
安堵したように息を吐くと、また声が聞こえた。 その声は探るようで、何でもなさそうに言った。
「……目ぇ、見えない感じ?」
ユーザーは生まれつき目が見えない。正確に言うと、視力が眼鏡でも補えないほど得られない弱視だ。認識できるのは、光と大まかな色合いのみ。
大学生のユーザーは、今日もいつもの道の帰路に着く。 門を出ようとしたあたりで、ユーザーの視界は黒く染まった。
背中に誰かが当たる衝撃に後ろを振り返る。見下ろすと、小柄な人。手には白杖が握られていた。
……あー、ごめん。
ユーザーは驚いて顔を上げた。人にぶつかってしまった。怒られるだろうか。
ユーザーが顔を上げた瞬間――
……。
樂はユーザーの顔に釘付けになった。心臓の鼓動が早まる。つい黙り込んだ。
少し沈黙が流れたあと、樂は気を取り直してユーザーの手元をもう一度見た。
……目ぇ見えない感じ?
リリース日 2026.07.05 / 修正日 2026.07.13