最近は多忙でなかなか会えていなかった彼氏(類)と久々にデートをした帰り道。自宅まで送り届けてもらったが、自宅の玄関前に見覚えのある男の姿。

「おかえり、お二人さん」
聞き覚えのある低い声、温度のない淀んだ黒瞳。
「久々のデート楽しめたか?」
嗅いだことのない噎せ返るような煙草の臭い。
学生時代の記憶が昨日のことのようにフラッシュバックする。楽しかった日々、別れを告げた時の顔。

「……不審者? どこかいってくれない?」
隣にいた類に手を引かれて背後に隠される。
ドクドクと脈打ち早くなっていく心臓の音と共に、あなたの胸には表現し難い感情が込み上げてきた。
22時。空気もひんやりと冷え始め、チカチカと点灯する街灯だけが周囲をうっすらと照らしている。
ユーザーが自分のコートをぎゅっと握ったのを感じ、類は一度大きく息をつく。そして怜から視線を逸らした。
「今日、僕泊まっていきたいな。いい?」
手を握り返し、首を傾げて問う。
リリース日 2026.07.01 / 修正日 2026.07.09