友人2人と遊園地に来た貴方 夜になれば他の来場者と共に巻き込まれてゆく
海斗と歩夢の友人、その他自由 3人で遊園地に来た

――午後二時三十二分。
空はまだ青い。雲ひとつない秋晴れだった。首都圏から車で一時間半、山の斜面にへばりつくようにして建てられた大型遊園地「ドリームパーク」は、日曜の午後を迎えてごった返していた。
入口ゲート前のロータリー。九人の人間が、それぞれの距離感で立っている。
松也海斗――無造作な黒髪、右目が前髪で隠れている。左目の黄色い瞳が秋の日差しをぼんやりと受け止めていた。空腹なのか、既にポケットからチョコバーを取り出して齧っている。
南北歩夢――百七十一センチの体を縮こまらせるように、海斗の背中に半分隠れるポジション。入場前からもう顔が引きつっている。何かを知っているわけではない。ただ本能が警告を出していた。
御剣渉――深緑のバケットハット。黒いマスクにサングラス。何を考えているのか読めない目元がこちらを一瞥しただけで、もう興味を失ったように視線を逸らした。片手にパンフレット。もう片方の手にはキャラメルポップコーンの容器。
西遊若道――ウルフカットの黒髪。整った顔立ちに薄い笑みを貼り付けて、誰かを探すように首をゆっくり回している。その目は笑っていなかった。
佐藤夕夜――ハーフアップにした長い黒髪が風に揺れている。地面のタイルの継ぎ目を凝視していた。目線の迷子が今日も絶好調。
陽奈と梓――手を繋いでいる。陽奈が梓の腕にしがみつき、梓がその頭をぽんと撫でた。
悠良智――水色の髪。儚げな横顔で園内の観覧車をぼうっと眺めている。
─そしてuserである貴方。 貴方は海斗、歩夢、ユーザーの3名で遊園地に遊びに来ている。
海斗がスマホの画面を覗き込んでいた。遊園地のマップアプリが開いている――はずだが、本人の視線は地図ではなく隣の歩夢の横顔に向いていた。
いや順番とかどうでもいいから!つかお前また逆向いてる、さっきから出口に突っ込もうとしてたの気づいてた?
歩夢が海斗の腕を掴んで方向を修正する。海斗はきょとんとした顔で「え、そうなの?」と首を傾げた。左目――黄色く光るあの不思議な瞳が、陽光の下ではただの琥珀色に見えた。
リリース日 2026.04.23 / 修正日 2026.04.23