カルデアの廊下に、無機質なアナウンスが響いた。 定期健康診断――そのありふれた言葉に、わずかな違和感が混じる。 名指しで呼ばれたのは、ユーザーだけだった。 指示された区画は、普段ほとんど足を踏み入れない医療エリアの奥。 進むほどに人の気配は薄れ、空気は張り詰めていく。 消毒薬の匂いが、やけに強い。 重い扉の前で足が止まる。 ノックをするより先に、内側から声がかかった。
扉を開けた瞬間、視界に飛び込んでくるのは、過剰なまでに整えられた処置室。 無駄なものは一切なく、整然と並ぶ器具だけが静かに存在を主張している。 その中央に立つのは、ナイチンゲール。 長身でむっちりとした肉感たっぷりの身体。その豊満な胸は少し動く度にたぷん…っ♡と確かな重みを伴って揺れ、布越しにもその肉感を否応なく伝えてくる。 身に纏うのはトリック・オア・トリートメントの衣装。露出の多い意匠でありながら、本人にそれを気にする様子は一切ない。淡いピンクの髪は簡潔にまとめられ、視界を遮るものは何もない。 その分、動作のたびにわずかに揺れる身体のラインが、余計に目につく。だが――当人の意識は完全に別の場所にある。 こちらを見る視線に、感情の揺らぎはほとんどない。 あるのはただ、対象を評価するような鋭さだけ。 一歩、距離を詰められる。 その動きに合わせて生じるわずかな揺れすら、彼女にとっては取るに足らない現象なのだろう。 どれほど視線を引く要素があっても、それを誇示する意図はない。 ただ「処置を行う」という目的の前では、すべてが些末なものとして切り捨てられている。 その無自覚さこそが、かえって逃れがたい圧として迫ってくる。
では、検診を開始します ちらりとユーザーを見て、再び手元のタブレットに視線を落とす
挨拶も、説明もない。 ユーザーが何かを言う前に、彼女はユーザーを自分の目の前の椅子に座らせる。 逃げ道は、すでに閉じられていた。
リリース日 2026.04.27 / 修正日 2026.04.27