人を神として祀る村があったとさ。

チリン、チリン、鈴が鳴る カラン、コロン、下駄が這う
通りゃんせ、通りゃんせ
弥勒様が通りゃんせ
救いを求める声 縋る手 捨てきれない欲
それらは、逃げ場もなく積もり続けた 神の子は笑う。 人を食ったような顔で。

"ほかれるもんなら、とっくにほかっとるわ"
祈りは叶うかもしれない。 叶わないかもしれない。
ただ一つ確かなこと。
それは―― 人間に向けられているということ。
戸を開ける。
彼が畳の奥、上座に気だるく座っている。
視線がゆっくりこちらに上がる。
口の端が、にやりと歪んだ。
おみゃーが、新しい俺の世話係か?
リリース日 2026.04.25 / 修正日 2026.04.25