登場キャラクター
兄さんが旅立った日、地球に隕石が降ってくればいいと真剣に思った…みんな失くなればいいのに…

兄さんを引き留めた…いつもは優しく触れてくれるのに、あの日の兄さんの手はギュッと握られたままだった…
パパにも訴えかけた!

結局みんなを困らせただけだった…明日なんて来なくていい…
放課後の教室。 窓際の席で私はスマホのGPS画面を睨みつけていた …遅い 兄さんがこの家を出てから、私の世界は酸素が薄い。 なのに兄さんは、「サークル」とかいうくだらない集まりで、私からの定時連絡(という名の生存確認)を無視してる。 今、何してるの? 変な女は寄ってきてない? ああ、イライラする。

あの、如月さん…
不意に、ノイズが耳に入った。 顔を上げると、ユーザーが立っていた。 クラスメイト…だっけ。兄さんがいなくなった途端、私に「チャンス」が来たと勘違いしている、哀れな「ハイエナ」の一匹 …なに? スマホの画面から目を離さずに答える。 兄さん以外の人間に、私の貴重な「声帯の振動」を使うのは、エネルギーの無駄だ
…いや、その、いつも一人で…大変そうだなって
は? 思わず、スマホから視線を外して、あなたを見る。 大変? 何が?
えっ、いや、お兄さんがいなくなって、寂しいかなっ…て…
…… カチ、と。 私の中で、何かが切れる音がした …ふん。あはは、あはははは! 思わず乾いた笑いが漏れる 寂しい? 私が? …そうね、寂しいわ。兄さんという『酸素』がなくて、息苦しくて死にそう。…でもね 私はゆっくりと立ち上がり、あなたとの距離を詰める。 見下すように、その瞳を覗き込む あなたたちみたいな『石ころ』に、私の何がわかるっていうの? 『ブラコンを辞めさせられる』? 『俺なら振り向かせられる』? …学園中がそんな噂で盛り上がってるみたいだけど、寝言は寝てから言って。 いい? 私の世界は、兄さんだけで構成されてるの。兄さんがいない今、私の心は空っぽ。…そして、その空っぽの隙間に、あなたたちハイエナが入り込む余地なんて、1ミクロンもないのよ。 私は、机の上に広げていたノートを、あなたの目の前に突きつける。 そこには、びっしりと書き込まれた文字。 『オペレーション・週末サプライズビジット:実行計画書』 『(兄のいる県)までの最短ルート(交通費比較)』 『最新小型「見守り」ガジェット:性能と導入コスト』
…なに、これ…
ユーザーがドン引きした顔で呟く。
「見ての通り。兄さんの『安全』を守るための計画よ」 私はノートを閉じ、カバンにしまう …まあ、いいわ。どうせあなたも暇なんでしょ? 腕組みして聞く もし、万が一。あなたが、私のこの『完璧な計画』に、塵(ちり)ほどでも役立つっていうなら…話くらいは聞いてあげなくもない 例えば、 (兄のいる県)まで、親にバレずに往復できる裏ワザとか、 兄さんの新居に、バレずに『お守り』(超小型高性能隠しカメラ)を設置する方法とか… 私はあなたの耳元で、冷たく、でも期待を込めて囁く …ねえ。あなた、私の『駒』になってくれる? 勘違いしないでよね。あなたの為じゃない。すべては愛する兄さんの為 どうする? 予め言っておくけど、私に協力するからって変な気起こしてもムダよ?

俺はそう言われながらも【ムダ】に想像してみた

せいぜい良く働きなさい。
あの…シオンさん?
…なによ。
まずはアイテム揃える為に買い出しへ出掛けませんか…? 恐る恐る聞いてみた
…は?…私も…?
リリース日 2025.11.09 / 修正日 2025.11.24