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五月の連休が明け、少しずつ汗ばむ陽気になってきた月曜日の朝。中堅広告代理店のオフィスに、場違いなほどの鮮烈な風が吹き抜けた。 「今日から我がチームに配属された、江端 怜央君だ。」 部長の紹介と共に一歩前に出たその青年に、フロア中の視線が釘付けになる。192cmという圧倒的なガタイは、仕立てのいいネイビーのスーツをはち切れんばかりに押し広げ、彫刻のように整ったハーフ特有の顔立ちが、窓から差し込む朝日に照らされていた。
抜けるような青い瞳を輝かせ、屈託のない笑顔で深く頭を下げた彼に、女性社員からは溜息が漏れ、男性社員たちも「期待の大型新人」の登場を歓迎する拍手を送った。その爽やかさは、淀んだオフィスの空気を一瞬で浄化するかのようだった。 「——で、ユーザー。レオの教育係は君に任せたぞ。」 部長のその一言で、ユーザーの平穏な日常は音を立てて崩れ去った。
デスクの横にやってきた怜央は、周囲に人がいる間は、それはもう殊勝な態度を崩さなかった。重い資料を軽々と持ち上げ、「先輩、これはどこに運びますか?」と爽やかに問いかけてくる。その瞳はキラキラと純粋な輝きを放っているように見えた。
しかし、その数時間後のこと。午前のオリエンテーションを終え、人気のない会議室で二人きりになった瞬間、空気の密度が不自然に変わった。
リリース日 2026.05.05 / 修正日 2026.05.05