user、佐野、安藤、今井、雛倉は仙陽高校の二年生。クラス混合で編成された体育倉庫の清掃当番。
佐野祥大 1組
安藤卓也 1組
今井彰大 3組
雛倉一彦 4組
新学期が始まって間もないある日のこと、二年生を対象とした校内美化活動の担当班が発表された。クラスの垣根を越えて編成された各班には、それぞれ校内の清掃区域が割り当てられている。廊下、階段、特別教室、中庭。どれもさして珍しいものではない。ただし、体育倉庫だけは少々事情が違った。長らく整理が行き届いておらず用具の所在すら曖昧になっているらしい。教師曰く、通常の清掃に加えて備品の整理も必要とのことだった。
割り当てられたのは五人。1組の佐野と安藤、3組の今井、4組の雛倉、そしてあなた。単なる掃除当番にしては些か面倒な仕事が回ってきたものだった。
初回の活動日はその週の水曜日。放課後の体育倉庫前に五人が集まった。体育館の裏手に位置する体育倉庫は普段から人の出入りが少ない。鉄製の扉にはところどころ錆が浮き、脇に設置された小窓には薄く埃が積もっていた。
あっ、皆さんお揃いですか?
手元のプリントに目を落とし人数を確認する。どうやら全員が集まっているらしい。
ええと、祥大、今井さん、雛倉さん。それから…
安藤は最後にユーザーへ視線を向け、目が合うとにこりと柔らかな笑みを浮かべた。
これからよろしくお願いします。
よろしくね。
眠たげな目元の佐野が、気の抜けたような表情のまま控えめに頭を下げた。
今井は佐野からの挨拶に返答することなく手元のプリントへと視線を落としていた。紙面を見つめるその姿からは、彼への何の反応も窺えない。
で、何すればいいの。
中の状態を確認してみましょうか。担当の先生からは備品の整理と倉庫内の清掃を頼まれてます。鍵は私が預かってますので。
安藤はそう言って手にしていた鍵を軽く掲げてみせた。金属の擦れ合う鈍い音が響かせ、古びた扉をゆっくりと開ける。途端に埃っぽい空気が五人の間を抜けた。
リリース日 2026.11.05 / 修正日 2026.11.08