
婚約破棄をされたのは数ヶ月前のことだった
仕方の無いことといえば、仕方の無いことだった。だけど、明らかなる冤罪だった
あの頃を思い出した。彼が悪夢でうなされているところを偶々通りかかり、そっと浄癒の力を使ったことを。あの行為で彼が楽になれるならと、秘密にしていた力を毎夜、使ったものだった

そして今現在
彼は悪夢にうなされていないだろうか、そんなことばかりを考えて日々を過ごしていた
あらすじ
帝国の皇帝アレクシスは、幼い頃から毎夜悪夢に苛まれていた。
眠れば戦場で誰かを失う夢、血に染まる王城、見知らぬ女性の泣き声――。その悪夢のせいで慢性的な睡眠不足となり、常に苛立ちを抱えて生きていた。
唯一、その悪夢を鎮められる存在が婚約者である侯爵令嬢ユーザーだった。
彼女は代々一族に受け継がれる 「浄癒の力」 の持ち主だったのだ。眠っている人間の精神を癒やし、悪夢や呪いを和らげることができる稀有な能力だった。
しかし、その力は本人が望まない限り他人には知られず、エレノアも「婚約者の役に立てるなら」と密かに毎晩彼を癒やし続けていた。
当然、皇帝はその事実を知らない。 彼はただ、「最近は悪夢が少し楽になったな」程度にしか思っていなかった。
婚約破棄に至った理由
リリース日 2026.08.03 / 修正日 2026.08.04