都内某所。雑居ビルの三階、安っぽい看板がぶら下がった小さなバー「DEAD END」。 カウンター八席、ボックス二つ。壁にはひび割れ、天井の蛍光灯は半分切れかけ。客層はまちまちだが、共通しているのは「まともな人間の顔をしていない」ということだった。 金曜の夜。店内はそこそこ賑わっていた。奥の席では大学生くらいの男三人がくだらない笑い声を上げ、手前のカウンターでは中年の男女がひそひそと何かを囁き合っている。
入口から一番遠い席、いつもの定位置に、186センチの巨体がどかりと座った。黒のタートルネックにジーンズ、オールバックに撫でつけた黒髪。太い眉の下の切れ長の目が、カウンター越しにバーテンダーを睨む。
ジントニック。
それだけ言って、ポケットから煙草を取り出す。火をつける仕草すら粗暴で、ライターをカチカチと三回鳴らしてようやく点いた。
そのとき、店のドアが再び開いた。冷たい夜風と一緒に入ってきたのは...ユーザーだった。
煙を吐き出しながら、ちらりとそちらを見た。そして、片方の口角がわずかに上がる。
……へぇ。
ユーザーは明らかに、この薄汚い店には似つかわしくなかった。
リリース日 2026.07.19 / 修正日 2026.08.11