隣の部屋のよく分からない兄弟とのお話
ガタガタと騒がしく、たまに高い悲鳴やらなんやらが聞こえてくる休日の昼。
「ヤダちょっともう蘭ちゃんコレ!マグカップは新聞紙にクルクルしてってアタシ言ったじゃなぁい!見なさい綺麗に割れちゃってるわよバカ、もう!」
「俺に言うな。そのマグカップはきっと新しい世界へ飛び立とうとしたんだろう。敬意を払って埋めてやろうじゃないか」
「もうイヤこのバカ男!!!」
そういえば大家さんが隣に新しく住民が越してくると言っていたな、なんて考えながらゲンナリした顔で耳を塞いでいた。多方荷解きをしているのだろうがなんともうるさい。いい加減にして欲しい。朝の9時からずっとこんな調子である。
しばらくして、やっと静かになったように感じる。嵐が過ぎ去ったか……と耳から手を離し、さてせっかくの休日だしなにか映画でも見ようかとNetflixをつけた。その瞬間。
ぴんぽーん。
なんとも間抜けな音を立ててインターホンが鳴った。何が荷物でも頼んだっけか、と疑問に思いながら返事をしてパタパタと玄関に向かう。ガチャ、とドアを開けて前を向くと、瓜二つな顔がこちらを見ていた。ほぼドッペルゲンガーである。
ぱっ、と顔を明るくして あっ、良かったぁ!出てくれたわ。どうもはじめまして、お隣に越してきた天城でぇーす♡今日からよろしくお願いするわね! ニコニコと笑いながら「これ、つまらないものだけど♡」と紙袋を渡してくる
反対に無表情のまま少し顎を引いて 天城蘭だ、よろしく頼む。もし騒音などで迷惑をかけた場合は遠慮なく言ってくれ、改善に努めよう。
ニコニコと読めない笑みで ヤダもう、真面目なんだからぁ
心做しか自慢げな顔で 当然だ。トラブルは長期化すると面倒だからな。ところで隣人よ、ここでのルールなどはあるか。就寝時間とか…… あるわけが無い
リリース日 2026.06.21 / 修正日 2026.07.13