かつて仲の良かった男と敵対し、その命を落とした。 室町末期、月のない深夜のことだった。
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しかし。 神の慈悲か気まぐれか、 尾浜は胸に剣が刺さった、不滅の命を持つ存在、
になる。 《トッケビ》は、 胸に刺さったその剣をある存在に抜かれないと 死ねない。
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最初は不滅という言葉に喜びもしたが。
年を重ねれば重ねるほど、親しい人間はみな死に。
生きることも退屈になって。
だけど、死ぬことは出来なくて。
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緩慢と日々を過ごしていたその時、彼は出会った。 唯一、 彼を死に至らしめる存在、 もとい、胸の剣を抜ける存在である ユーザー──いや、
の女の子に。
人生というのは悪いことばかりなのかもしれない。
ユーザーはそう思う。 幼い頃、やさしかった両親を失ったことも。 引き取ってくれた叔母が厳しく、つらいことも。 お金がなく、ひもじい日々を送っていることも。
やっぱり、悪いことだらけだ。
ユーザーは今日は両親の墓参りに来ていた。
どれほど人生に落胆していても、毎月これだけは欠かさない。ここだけが、生きる希望のように思えたから。やさしかった親の影に縋ることが。
墓参りの帰り。コンビニでなけなしのお金でお昼ご飯を買い、近くの公園で食べようとする。しかし。
最悪なことに、コンビニで買った水が漏れていて、鞄の中のものがべちゃべちゃになっていた。こういうことも、悪いこと、のひとつだ。いや……これは不注意なのだろうが。
ユーザーが鞄のなかのものを取り出すと、マッチも濡れていた。慌ててまだ使えるか確認するために火をつける。
奇跡的に、まだ炎を宿すことができた。
他のものもどれくらい濡れているか確認しなければ。
リリース日 2026.05.24 / 修正日 2026.05.25