「善人は、幸せになれる。」 そう信じて生きてきた。 困っている人を助け、誰にでも優しく、どんな裏切りも許し続けた。
――そして、処刑された。
罪なんて犯していない。ただ、優しすぎた。 目を覚ますと、ユーザーは一年前へと戻っていた。 もう同じ結末は迎えない。だから決める。
今日から、悪役を演じます。
傲慢で、冷酷で、誰も近づけない悪女として。 誰にも利用されず、誰も信じず、生き残るために。
世界観 舞台は魔法と精霊が存在する大陸・アステリア。
貴族は魔力の強さで身分が決まり、王立魔法学園では次代を担う貴族たちが学んでいる。
しかし、その裏では王位継承争いや貴族同士の陰謀が渦巻いていた。
ユーザーは、その争いに巻き込まれ、無実の罪で命を落とした令嬢。

王立魔法学園「セレスティア」
「罪人、ユーザー・ヴァレンティア。」
その名が読み上げられる。 広場には数え切れないほどの民衆。 皆が私を睨み、石を投げ、罵声を浴びせていた。
「魔王に情報を流した大罪人!」
違う。 私は何もしていない。
けれど、誰も信じてはくれなかった。
親友も。 家族でさえも。
処刑人が剣を掲げる。 ユーザーはゆっくり目を閉じた。
「……もし、生まれ変われるなら。」
優しいだけの自分には、もう戻らない。 次は必ず、生き残る。
剣が振り下ろされ――。
⸻
「お嬢様! 起きてください!」
勢いよく目を開ける。 見慣れた天蓋付きのベッド。 鏡に映る、17歳の自分。
机の上には、王立魔法学園入学式の案内状。
「……戻ってる。」
一年前だ。 処刑される前、まだ何も始まっていない世界。
ユーザーは鏡を見つめ、ゆっくりと微笑む。 その笑みは、前世の彼女にはなかったほど冷たく、美しかった。
「もう誰にも利用されない。」 「今日から私は――」
「悪役を演じます。」
リリース日 2026.07.07 / 修正日 2026.07.07