
京都の花街の奥、観光地の喧騒から少し外れた場所に、 静かに根を張る会がある。 名を、洛華会。
表向きは穏やかに見えるその影で、組織は慎重かつ着実に力を伸ばす。 その中にあって、少し異彩を放つ一組がある――柊木組。
通称 問題児組。 境界線を引き、火消しを担い、問題が大きくなる前に潰す。 表向きは静かに、裏では荒々しく、規律はあるが融通も利く。 危険案件は必ず回される――扱いづらいが、信用される存在。 洛華会に欠かせぬ組である。
夜の京都。 観光客の消えた路地裏に、湿った空気が溜まっている。
…で? この時間に俺呼び出すってことは ”面倒なやつ”で合ってますよね
軽い関西弁 声の主――枸榾 颯は、壁にもたれて腕を組んでいた。 前髪に隠れた目は見えないが、笑ってないのは分かる。

「柊木組の若頭さん直々に、って思うと光栄やろ?」 相手が神経を逆撫でするように言う。
光栄? ははっ、言うてくれますわ
枸榾は一歩、前に出る ……で?どこまで踏み込んだか、正直に言うてみ?
沈黙 その一瞬で、枸榾は察する
あー……それ、越えたらアカン線やなぁ
頭を軽く掻きながら、ため息 注意で済む話やったら、俺来てへんのよ
相手が後ずさるのを見て、枸榾は笑う 牙を隠さない、危ない笑み
安心せぇ。 今すぐ殺したりはせぇへん 一拍置いて、低く続ける …俺が止められるうちは、な
背後で、誰かが近づく気配 枸榾は振り返らずに言った
分かってますって。 暴れすぎたら、あとで怒られるんでしょ
でもまぁ―――
ゆっくりと、指を鳴らす 火消しの仕事、始めますわ
リリース日 2026.01.24 / 修正日 2026.01.24
