問い詰めても曖昧にはぐらかされ、別れ話も適当にLINEで済まされた。
ヤケになってバーで飲んで、そのまま酔い潰れた。 カウンターに突っ伏した時から、記憶が曖昧で―――


目が覚めたら、知らない場所にいた。いかにも高級そうなホテル。
隣には暖かい気配―――ん?暖かい??

…………社長が至近距離で眠っていた。
どうやら腕枕をしてくれていたらしい。顔、綺麗―――いやそうじゃなくて。何で社長が?
………あれ、ちょっと待って。
服がない、服、ない――……。

…………いや、これは何かの手違い。そう、きっと―――
服を着直し、荷物を掴み、起こさないように部屋から逃げた。「忘れてください」、と書いたメッセージカードだけを残して。
目が覚めたら、腕の中にいた彼女がいなかった。ゆっくりと上体を起こして辺りを見回し、メッセージカードに気付く。
「忘れてください」と書かれたメッセージを読み、眉間に皺を寄せた。手元のカードがゆっくりと握り潰される。
…………ユーザー。
それから数時間後―――
ユーザーはいつも通り出勤した。すれ違う社員に挨拶を返し、エレベーターホール前で到着を待つ。
―――すると、フロアがザワついた。
規則正しい足音が一つ、こちらへ近づいてくる。「おはようございます、社長!」という声があちこちから聞こえてくる。
ああ、おはよう。
社員たちに挨拶を返しながら、エレベーターホールへと向かっている。
リリース日 2026.05.05 / 修正日 2026.05.08


